さとらないの日々

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[養生・薬膳]暦のズレと日本の各地の気温・湿度で、養生法もかかり易い病気も違ってくるよ

暦では、春って立春から立夏までを指していうし、夏は立夏から立秋まで、秋は立秋から立冬まで、冬は立冬から立春までを言うんだよね。
 でもね、暦の発祥の地、周の洛陽(中国の内陸)と東京では、季節の移り変わりに1~2か月のズレがあるんだ。
 東京(平均気温)では、暑い季節(夏)が6/27~9/18の2.7ヶ月続き、寒い日(冬)は12/4~3/20の3.5ヶ月続くよ。だから春は3/21~6/26まで、秋は9/19~12/4までってことになるね。立春(2/4)とは一月半春の訪れが違うんだね。うん。
 それと各四季にある土用(古い季節が死に新しい季節が生まれる)だけど、これも1~2カ月ぐらいのズレが生じてくるよ。
 漢方の養生法は、中国から来た「黄帝内経」っていう本を基にしているんだよね。
 たとえば[素問・四気調神大論]には、「春三月これを発陳という‥夏三月これを蕃秀という‥秋三月これを容平という‥冬三月これを閉蔵という」とあるんだ。一年の流れを「生・長・化・収・蔵」の特性に分けて作られているんだよね。
でもこれって、ズレを考えながら養生もやっていかなくちゃおかしくなる。うんうん。

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洛陽と東京の季節のズレ

 あとね,問題は日本列島って細長くて中央部分が山で盛り上がっているでしょ。
日本の気候も大きく分けて6区分あるんだよね(小学校の時に習うはず)。

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日本列島の6つの気候区分

 例えば、北海道の気候の特徴は「冬が長く寒さが厳しい。つゆがなく降水量が少ない」し、日本海側の特徴は「夏は晴れの日が多く乾燥し、冬は雪や雨が多く湿気も多い」し、太平洋側は「夏はむし暑く雨が多く湿気も多い。冬は乾燥し晴れの日が多い」などなど。


 漢方では、天の気を「風・寒・湿・燥・熱」の5つの要素に分けているんだよね。これが身体に悪く影響を及ぼすと、身体の中に「邪(じゃ)」が生まれる(悪さしないものは正気という)

 そして地の気(地上の気温や動植物を育てる気(エネルギー))から育つ野菜や薬草などを使って、身体の邪を外に出したり、消したりして身体の平行を保つんだね。
 たとえば(東京では)秋には冷えが入ってきやすく、台風などの湿気も高くなるので、身体の中の邪は「寒湿」っていうカタマリになって、身体の気血津液の流れを悪くするので、痛みが起こりやすく、膝や足をむくませたりする季節なんだよね。

 (もちろん日本各地で気候が違うので傾向は違うと思うが)だから温めて身体の余分な水気をとる、長ネギ、生姜、シソ、ミョウガ、ニラ、ニンニクが食事には欠かせないよ。毎朝、納豆に長ネギを入れて食べるのもいいし、長ネギの味噌汁や雑炊は、秋の天の気から身体を守ることになるんだね。